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楽しくて、こわいものがない私。
現代アメリカ(不思議の国)の、めくるめく闇(リアル)を巡る、奇妙で甘美なワンダー・トリップ。
The Sweet East

スイート・イースト 不思議の国のリリアン

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3月14日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開
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3月14日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開

Trailer

Introduction
第76回カンヌ国際映画祭監督週間正式出品
ショーン・プライス・ウィリアムズのような巨匠から学ぶことは多い。  マーティン・スコセッシ(ルビ:『タクシードライバー』)
ロマンチックな無政府状態  ジョシュ・サフディ(ルビ:『グッド・タイム』)
あてもなく漂う、からっぽな少女。次々に現れるファニーで奇妙な人々。アメリカ(不思議の国)の旅の終わりは、天国?それとも地獄?

どこか物憂げな高校生リリアン。ワシントンD.C.への修学旅行でも、はしゃぐクラスメイトを冷めた目で眺めていた。その夜、みんなで抜け出して行ったカラオケバーで、陰謀論に憑りつかれた若い男による銃乱射事件に巻き込まれてしまう。そこにいたド派手なパンク・ファッションのケイレブに導かれ、店のトイレに逃げ込む。そこには大きな鏡の裏に“秘密の扉”があり、地下通路へと繋がっていた・・・。お気楽な活動家アーティスト集団、感傷的なネオナチ男、エレクトロ好きのイスラム主義者・・・恐怖とユーモアが交錯する現代アメリカ(不思議の国)の闇(リアル)を巡る、数奇な旅のはじまりだった。
多様性の国から届いたのは、“トランプ時代の不思議の国のアリス”のような奇想天外なお伽話。横行する様々なタイプの過激主義者たちを、東海岸を横断するひとりの少女の視点で露わにしていく。2025年に再び訪れるトランプ政権、彷徨うアメリカの行く末は・・・。

鬼才っぷりを放ちまくる!
NYインディペンデント映画シーンを牽引してきた撮影監督ショーン・プライス・ウィリアムズ衝撃の監督デビュー。

第76回カンヌ国際映画祭監督週間に出品され、そのクールな映像スタイルと奇妙でアイロニカルに溢れた物語の構築で話題となった野心作がついに日本公開。監督は、NYインディペンデント映画シーンの鬼才ショーン・プライス・ウィリアムズ。サフディ兄弟監督『神さまなんかくそくらえ』、『グッドタイム』などの撮影監督としてインディーズ映画シーンを支えてきた。また福永壮志監督『アイヌモシリ』や遠藤麻衣子監督『TOKYO TELEPATH 2020』など日本人監督ともいくつかコラボレーションしている。長編・短編映画・TVシリーズ・ミュージックビデオなど120本以上の作品を撮影してきた彼の監督デビューとなる本作でも、全編16㎜フィルムで撮影し、被写体に迫る鋭いリアリティとラフでありながら味わい深いカメラワークを遺憾なく発揮している。

アメリカをナチュラルに体現する個性豊かすぎるキャストたち。
ヤバい

主演は『17歳の瞳に映る世界』のタリア・ライダー。確かな演技力とキュートな笑顔で思春期の危うい少女の魅力をスクリーンいっぱいに表現している。不思議な旅で出会う人物たちには、ショーン・ベイカー監督作『レッド・ロケット』で高い評価を受けたサイモン・レックス、『プリシラ』でエルヴィス・プレスリーを演じたジェイコブ・エロルディ、シンガーソングライターのニック・ケイヴの息子であり注目の若手俳優アール・ケイヴ、Netflix「エミリー、パリへ行く」のジェレミー・O・ハリスなど。多彩な俳優たちが、物語に深みを与えリアルな息吹を吹き込んでいる。

Story

〜アメリカ合衆国の国旗に、私は忠誠を誓います〜

サウスカロライナ州の高校3年生リリアンは、彼氏のトロイ、親友のテッサ、何かとトロイにちょっかいを出してくるアナベルたち同級生と、修学旅行でワシントンD.C.を訪れている。はしゃぐクラスメイトを、ひとり冷めた目で眺めている、どこか物憂げなリリアン。夜、皆で抜け出して行ったカラオケバーで、陰謀論に憑りつかれた若い男による銃乱射事件に巻き込まれてしまう。その場にいたド派手なパンク・ファッションのケイレブに導かれ、店のトイレに逃げ込むと、大きな鏡の裏に“秘密の扉”があった。それは地下通路へと繋がっていた・・・。

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監督・撮影:ショーン・プライス・ウィリアムズ

監督コメント

『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』は、アメリカの空に放たれたフレア(発光弾)のような作品です。アメリカがこの映画を生み出しました。

私たちは、自分たちの故郷に関連する何かを作りたかったのです。実際、アメリカは古い国ですが、その背中は力強く、筋肉はたくましく、関節はしなやかです。私たちがこの先、どこへ向かうのか、ワクワクしませんか?

私たちは深刻に捉えすぎているのではないでしょうか。

本作は、アメリカ映画史への言及により、独自の意義を示唆しています。

私たちは愛国者であり、アメリカは個性と色彩に富んだ国なのです。

物語のヒロインはリリアン。彼女は私たちの国のように、賢明でありながらも世間知らずに見えることがあります。
彼女はまだ自分の道を模索している若い女性なのか? それとも、最も早く立憲民主主義が確立された国のように、すっかり成熟しているのだろうか?これは成長を描いたロードムービーなのか? それとも、自分が誰なのか100%分からないまま、自分を貫いていく物語なのか?

重要なのは、確信が持てないということ。なぜなら、確信によって足元をすくわれるからです。

ショーン・プライス・ウィリアムズ

STAFF

監督・撮影:ショーン・プライス・ウィリアムズ
監督・撮影:ショーン・プライス・ウィリアムズ

数本の短編とジャン=マヌエル・フェルナンデスとの共同監督作品『Eyes Find Eyes』(11)を経て『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』で長編監督デビューを飾ったショーン・プライス・ウィリアムズは、インディペンデント映画界を代表する撮影監督として、20年を超えるキャリアを築いてきた。その間に撮影した長編映画は約60本。さらに50本の短編と7本のシリーズもの、数本のミュージックビデオという驚異的な仕事量を誇っている。最新作は現在公開中の『セカンドステップ 僕らの人生第2章』(24年12月20日 日本公開)や、12月に配信されたBLACKPINK ロゼのミュージックビデオ「toxic till the end」(24)などを手掛けている。

ウィリアムズは1977年生まれ。アメリカ東部のデラウェア州ウィルミントンで生まれ育ち、ウィルミントンの近郊は本作の主要な舞台にもなっている。父親は整備工、母親も工場で働く堅実な労働者家庭だった。ボルチモア郡メリーランド州立大学に通いながら独学で映画撮影を学んでいたが、大学をドロップアウトしてニューヨークを目指した。

筋金入りの映画マニアとして、ウィリアムズはマンハッタンの伝説的なKim’s Video の店員となる。Kim’s Videoは韓国系移民のキム・ヨングァンが1987年に始めたレンタルビデオストアで、激レアな映画の海賊版も取り揃えたマニアックなセレクションで好事家や映画監督志望の若者たちの人気を集めた。『バートン・フィンク』(91)や『ノーカントリー』(07)のコーエン兄弟は、いまだに600ドルの延滞金を払わずじまいだという。

ウィリアムズ以外にも、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(09)、『ジョーカー』(19)で知られるトッド・フィリップスや、ほとんどの監督作でウィリアムズとコラボしているアレックス・ロス・ペリーら映像作家の卵たち、アンドリューW.K.やザ・ストロークスのアルバート・ハモンドJr.といったミュージシャンもKim’s Videoで働いていた。映画評論家で本作の脚本も手掛けたニック・ピンカートンも店員だったが、ウィリアムズとは別店舗に勤務していて、当時は面識はなかったという。

詳細がよくわからないのだが、ウィリアムズはKim’s Videoをクビになっても出勤し続け、働くことをやめず、最終的には強制的につまみ出されたというから、相当にクセの強い人物であることは間違いなさそうだ。

ウィリアムズはKim’s Videoの盟友であるアレックス・ロス・ペリーの監督デビュー作『Impolex』(09)などで撮影監督を務めるようになり、やがて低予算の独立系映画の界隈で引っ張りだこの存在となっていく。ペリーとは『彼女のいた日々』(17)、『ハー・スメル』(18)などほぼすべての長編映画でコンビを組んでおり、ペリーは本作にプロデューサーとしても名を連ねている。

『アンカット・ダイヤモンド』(19)など気鋭の映画作家として注目されているジョシュアとベニーのサフディ兄弟とも交流があり、『神様なんかくそくらえ』(14)、『グッド・タイム』(17)で撮影監督を務め、まるで即興演奏のように自由な映像センスで高い評価を得た。

劇映画だけでなくドキュメンタリー映画も手掛けるウィリアムズは、師匠的な存在としてドキュメンタリー界の巨人、メイズルス兄弟の兄アルバート・メイズルスを挙げている。メイズルスの『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』(16)や2011年にテレビ放送された『ポール・マッカートニー THE LOVE WE MAKE 9.11からコンサート・フォー・ニューヨーク・シティへの軌跡』にもカメラマンとして参加し、彼のアーキビストも務めた。

また日本との関わりでは、遠藤麻衣子監督の『KUICHISAN』(11)の撮影監督として沖縄を、同監督の『TOKYO TELEPATH 2020』(20)で東京を訪れている。(遠藤麻衣子監督は本作へ楽曲提供している)また第19回トライベッカ映画祭で審査員特別賞に輝いた福永壮志監督の『アイヌモシリ』(20)でも撮影監督を務め、現代の北海道の姿をカメラに収めた。

仕事を選ぶ際には、低予算はものともせず、監督との個人的なつながりや新人を応援することを優先しており、事前に脚本を読むことはほとんどない。あえてハリウッドに背を向け、全米撮影監督協会にも加盟せず、自分の流儀を貫くことにこだわり続けているのだ。

変わり種の業績として、ウィリアムズは長年にわたって映画の啓蒙活動を続けている。2000年代から独自の基準で重要な映画1000本を厳選し、半年ごとにラインナップを精査して入れ替えを行い、知人友人に配布してきたのだ。ウィリアムズのリストは、俳優のクリスティン・スチュワートやジェイソン・シュワルツマンもファンだという。その20年に渡る活動をまとめた最新版が、NYのアートシアターMETROGRAPHから書籍「SEAN PRICE WILLIAMS’S 1000 MOVIES」として2023年に出版されたばかり。撮影監督、映画作家としてだけでなく、NYインディーズ界の顔役として、ウィリアムズの地位は揺るぎそうにない。本作にレイ叔父さん役で出演も果たしている。

脚本:ニック・ピンカートン

オハイオ州シンシナティ出身。ゴジラやローレル&ハーディーのコメディ、三ばか大将に夢中になった少年時代を過ごす。フィルムメイカーを志し、地元のライト州立大学で映画製作を学ぶが、NYに転居して映画批評に軸足を移す。2003年頃より「Film Comment」、「Sight & Sound」、「Reverse Shot」、「The Guardian」、「Harper's」、「Village Voice」などに映画評を寄稿。『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』が初の映画脚本となる。本作に牧師役で出演しているほか、『Dogleg』(23)、テレビ映画『Who's Annie?』(23)にも出演。

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CAST

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リリアン/アナベル:タリア・ライダー
ローレンス:サイモン・レックス
イアン:ジェイコブ・エロルディ
ケイレブ:アール・ケイヴ
マッシュ:ジェレミー・O・ハリス
モーリー:アヨ・エデビリ
モハマド:リッシュ・シャー

リリアン/アナベル:タリア・ライダー

2002年8月16日ニューヨーク州バッファロー生まれ。15年ミュージカル「マチルダ」でブロードウェイ・デビューを飾る。また15歳にしてミア・マイケルズ監督・振付による、ダンスによって社会正義を訴える短編映画『Only we know』のエグゼクティブプロデューサーを務めた。第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員大賞)を受賞した『17歳の瞳に映る世界』(20)にて高い評価を受ける。スティーブン・スピルバーグ監督『ウェスト・サイド・ストーリー』(21)にジェッツ(ヨーロッパ系移民グループ)の一員として出演。その後、オリヴィア・ロドリゴ 「デジャヴ」(21)のミュージックビデオや、モハマド役のリッシュ・シャーも出演しているNetflix『リベンジ・スワップ』(22)、Amazonプライム・ビデオのスリラー『マスター ~見えない敵~ 』(22)、モーリー役のアヨ・エデビリと共演している主演を務めた青春ラブストリーのNetflix『出会いと別れと、その間のすべて』(22)、『ダム・マネー ウォール街を狙え!』(23)ではセス・ローゲン、ポール・ダノら豪華キャストたちと共演した。ボリショイ・バレエ団に入団したアメリカ人バレリーナのジョイ・ウォマックの実話を基にした『The American』(23)では、主演を務め素晴らしい踊りを披露している。他に、ダーレン・アロノフスキーが製作を務める『Little Death』(24)など幅広く活躍中。

ローレンス:サイモン・レックス

1974年7月20日カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ。MTVのビデオジョッキーとして活躍後、俳優としてTVドラマ「フェリシティの青春」(98-00)、「ジャックとジル」(99-01)などに出演し順調にキャリアを積むが、過去に出演したポルノビデオの流出で「恋するマンハッタン」(02)を1シーズンで降板。映画では『最'狂'絶叫計画』(03)以降のシリーズ3作に出演するほか、『プリティ・ライフ パリス・ヒルトンの学園天国 』(06)、『スーパーヒーロー ムービー!! -最'笑'超人列伝-』(08)など。21年にA24製作のショーン・ベイカー監督作『レッド・ロケット』で、自身の経歴とリンクするような落ちぶれたポルノ俳優役を演じて高い評価を受け、インディペンデント・スピリット・アワードとロサンゼルス批評家協会賞で主演男優賞を受賞した。ダイアン・キートン主演の『Mack and Rita』(22)、『ゲイリーの秘密の終活』(23)、ゾーイ・クラヴィッツ監督作でチャニング・テイタム共演『Blink Twice』(24)、ヒメーシュ・パテル、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、リリー・ジェームズ共演の『Greedy People』(24)などがある。またダート・ナスティ名義でラッパーとして、アルバムをリリースしている。

イアン:ジェイコブ・エロルディ

1997年6月26日オーストラリア、ブリスベン生まれ。大ヒットしたNetflixの青春ラブコメディ『キスから始まるものがたり』(18-21)シリーズで注目され、A24製作のHBO大ヒットドラマシリーズ「ユーフォリア/EUPHORIA」(19-22)の演技で高く評価される。他に、ベン・アフレック、アナ・デ・アルマス共演の官能スリラー『底知れぬ愛の闇』(22)、『プロミシング・ヤング・ウーマン』(20)のエメラルド・フェネル監督最新作『Saltburn』(23)では、貴族の青年を演じてロザムンド・パイク、バリー・コーガンらと共演。大スターのエルヴィス・プレスリーを演じたソフィア・コッポラ監督『プリシラ』(23)、主演を務めた第二次世界大戦を舞台としたリミテッド・シリーズ「The Narrow Road to the Deep North」(24)、巨匠ポール・シュレイダー監督『Oh, Canada』(24)ではリチャード・ギアの若い頃を演じた。

ケイレブ:アール・ケイヴ

2000年6月23日イギリス、ロンドン生まれ。シンガーソングライター、作家、画家、俳優として知られるニック・ケイヴを父に持つ。Netflixドラマ「このサイテーな世界の終わり」(17-19)に出演し注目される。その後『バグノルド家の夏休み』(19)、ラッセル・クロウ、ニコラス・ホルトらと共演したジャスティン・カーゼル監督『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』(19)、TVドラマシリーズ「アレックス・ライダー」(20-24)、シャーリーズ・セロン、ミシェル・ヨー共演のNetflix『スクール・フォー・グッド・アンド・イービル』(22)、『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』(22)では名優ジム・ブロードベントと共演した。映画『デューン』の前日譚であるHBOドラマシリーズ「デューン 預言」(24-)などで活躍している。セリーヌなどハイブランドのキャンペーン・モデルも務め、今イギリスで最も有望な若手俳優のひとり。

マッシュ:ジェレミー・O・ハリス

1989年6月2日バージニア州マーティンズビル生まれ。劇作家、俳優。イェール大学芸術学修士課程、脚本家コースを卒業。第74回トニー賞にて、最多12部門ノミネートに輝いたブロードウェイ作品「Slave Play」を手掛け、いま全米で最も注目される劇作家のひとりである。19年にアメリカ・ニューヨークのオフブロードウェイで初演され、イギリス・ロンドンで上演された「ダディ」は、中山優馬主演で日本でも上演された。映画ではA24製作の『Zola ゾラ』をジャニクサ・ブラヴォー監督と脚本を共同執筆して、高い評価を受ける。ヒットシリーズ「ユーフォリア/EUPHORIA」(19-22)や「イルマ・ヴェップ」(22)のテレビドラマ化などに携わる。大ヒットNetflixドラマ「エミリー、パリへ行く」(20-)のシーズン2に有名ファッションデザイナー役で出演し、大人気シリーズのリブート版である「ゴシップガール」(21-)には本人役でカメオ出演するなど、俳優としても活躍中。

モーリー:アヨ・エデビリ

1995年10月3日マサチューセッツ州ボストン生まれ。俳優、作家、スタンダップコメディアン。ディズニー傘下のFX Productionsが製作したドラマ・シリーズ「一流シェフのファミリーレストラン」(22-)に出演し、第81回ゴールデングローブ賞テレビ部門女優賞(コメディ&ミュージカルシリーズ)を受賞した。他に、会話はほぼすべて即興というドキュメンタリー・タッチの映画『シアター・キャンプ』(23)など。ドラマ「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」(19-)、Netflixオリジナルアニメ「ビッグマウス」(17-)、ドラマ「ディキンスン 若き女性詩人の憂鬱」(19)などの番組で脚本を担当し、「ビッグマウス」や『テイルズ・オブ・ザ・ミュータント・タートルズ』(24)、『インサイド・ヘッド2 』(24)では声優を務めるなど、アニメーション界でも名を馳せている。フローレンス・ピュー主演のマーベル映画『サンダーボルツ*』(25年GW公開予定)などが控えている。

モハマド:リッシュ・シャー

1997年12月17日イギリス、ロンドン生まれ。20年リズ・アーメッド主演のアカデミー短編映画賞受賞『The Long Goodbye』に出演。翌21年にNetflixの大ヒットシリーズ第三弾となる『好きだった君へ:これからもずっと大好き』で長編映画デビューを飾る。リリアン役のタリア・ライダーと共演した『リベンジ・スワップ』(22)、マーベル・スタジオ製作のドラマ「ミズ・マーベル」(22)、ベット・ミドラーなど豪華キャストと共演したAmazonプライム・ビデオのロマンティック・コメディ『私がケーキを焼く理由』(23)、Netflixリミテッドシリーズ「オブセッション」(24)、トーマシン・マッケンジー、ジェームズ・ノートン、ビル・ナイなどと共演したNetflix『JOY 奇跡が生まれたとき』(24)などに出演。バラエティ誌の「注目すべき10人のイギリス人」に選ばれるなど、ドラマ・映画・舞台での今後の活躍が期待される

Comment

(敬称略/五十音順)

主人公リリアンが、さまざまな場面でほんの一瞬見せる笑み。
不敵で愛しいその笑みに、心を掴まれ引っかき回された。
リリアンは自分のことを「何者でもない」と言う。
それは「何者にもさせない」ということだ。

祷キララ(俳優)

学校では教えられないことの塊(それは魂)
永遠の映画少年ショーンがカメラ片手に
超新星タリア・ライダー爆発の瞬間を記録したミラクル創世記ジェネシス

遠藤麻衣子(映画監督)

まるでソフィア・コッポラがリメイクした『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』。
トランプ政権以後に皮肉な政治コメディを作るなんて野蛮だ。それでもなお作ってしまった蛮勇に拍手を。

鍵和田啓介(ライター/編集者)

最後にちょっと、監督のショーンが登場してリリアンに微笑みかけるんだけど、
それも束の間。またとんでもないことが起きて、ショーンが苦笑いする。
うん、笑うしかないよな、崩壊していく不思議な国アメリカを。

空音央(映画監督)

極端な思想と過激なニュースが蔓延る国、アメリカ
絶望と無関心の世代の若者が迷い込んだ先には、善も悪もない、理不尽な人間の孤独と欲望だけがあったーー
まるで醒めない悪夢のような現代の「意味不明さ」を、美しいフィルターを通して覗くような作品。

竹田ダニエル(ジャーナリスト/研究者)

ショーン・プライス・ウィリアムズの趣味趣向や哲学、人間そのものがスクリーンから溢れ出てくるようだった。
映画はもっと自由でいいんだと思い知らされる。

福永壮志(映画監督)

少女が鏡を通り抜けてアメリカの闇を大冒険。
Qアノン、アンティファ、ネオナチ、過激派カルト?
夢のように美しい映像で描かれる、もうひとつの『シビル・ウォー』!

町山智浩(映画評論家)

さすがはメイズルス兄弟に師事したショーン・プライス・ウィリアムズ監督。
不思議な魅力を持つリリアンを通して、アメリカの多様な風景と文化を鮮やかに描き出した。
スウィートで恐ろしい、めくるめく傑作!

降矢聡(グッチーズ・フリースクール/映画配給)

ここではないどこかへ、という青春映画の永遠のテーマを、最強の空っぽ娘がひっかき回す!
われわれはこの魅惑的な虚無に立ち向かえるのか?

村山章(映画ライター)

混乱したティーンエイジャーの目には、今の米国がこんな風に見えるのかも。
イデオロギーと男たちを軽やかにすり抜けながら、それでも彼女は「アメリカ」から逃れられない!

山崎まどか(コラムニスト)

わくわくするようながっかりするような世界を、リリアンは軽やかに彷徨う。
狂った時代におかしな場所で生き延びるには、こんなおとぎ話が必要だ。

ゆっきゅん(DIVA)

『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』を観た時の感動と比較できるのは、両親のアパートで初めて観た『赤い靴』という素晴らしい作品だけだ。ショーン・プライス・ウィリアムズのような巨匠から学ぶことは多い。

マーティン・スコセッシ

ロマンチックな無政府状態。

ジョシュ・サフディ

現代アメリカのサブカルチャーを風刺した変幻自在の作品だ。

New York Times

おおげさで不気味なほど楽しい冒険。

Observer

ショーン・プライス・ウィリアムズはアメリカのイデオロギー・バブルを痛烈に揶揄した。

The New Republic

このバカバカしくもほろ苦い物語は、ずっと心に残るだろう。

Little White Lies

リリアンは我々のアリスであり、アメリカは暗い鏡のワンダーランドだ。

Daily Telegraph (UK)

シュールで風刺的。未だかつてない、爽快なジェットコースターのような作品だ。

Sight & Sound

これは楽しい・・・そして時に面白い・・・批判することは不可能だ。

indieWire

主演俳優タリア・ライダーはスターである。

Variety

ポリコレに対するアンチテーゼのような映画だ。終始挑発的だが、その非道さは実に見事。

The Daily Beast

徹底して刺激的で、スカッと笑える悪夢のピカレスク。

RogerEbert.com

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